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4章入ります。
第四章開始。

4章
第四章
60話 梅雨時

 


 雨がザーザー降っている。もうすぐ体育祭なのに、こんなんで開催出来るのかな?
雨下得傾盆大雨。體育節就快到了,這樣的天氣能舉辦嗎?


 いっちゃんはイベントだから絶対晴れる! と言っていたけど、レクリエーションやサブイベントみたいなこともあるから、絶対ってもう絶対言えないと思うよ、いっちゃん?
一定會放晴的,因為這是個活動!這樣說著的一番,但也有娛樂活動和次要活動之類的事情,所以我想說絕對這個詞已經不能再絕對地使用了,對吧,一定會放晴的?


 あれから花音への嫌がらせはピタッと止まった。レイラが約束を守ってくれたらしい。
從那時起對花音的欺負突然停止了。看來蕾拉遵守了承諾。


「ねえ、葉月?」
「嘿,葉月?」

「ん~?」
「嗯~?」

「そんな雨ばっかり見て楽しい?」
「光看著這樣的雨就開心嗎?」

「ん~?」
「嗯~?」


 ずっと寮の窓から外の雨を見ていたら、勉強していた花音が首を傾げて、こっちを見ていた。
一直盯着宿舍窗外的雨,正在努力学习的花音歪着头,转向这边看着。


 今日は日曜日。
今天是星期天。

 花音も生徒会の用事もないから寮の部屋にいる。外は雨だから、今日は出掛けないみたい。
花音也沒有學生會的事情要處理,所以她留在宿舍裡。外面下著雨,看來今天不打算出門。


「べつに~?」
「別有什麼問題嗎?」

「そう? その割には、いつも雨の日はずっと見てるよね?」
「是嗎?儘管如此,你總是在雨天一直看著吧?」

「そう?」
「是嗎?」

「そうだよ」
"是的"


 そんなことないと思うけども。そんなに見てたかな~?
我不這麼認為。你真的看了那麼多嗎?

 花音も釣られて窓の外を見上げた。
花音也被吸引,抬頭看向窗外。


「そういえば、葉月と初めて会った時、いきなり雨が降ってきたんだよね」
「說起來,我第一次遇見葉月的時候,突然下起了雨。」

「ん~?」
「嗯~?」


 そだね~。美少女だったから思わず見惚れたんだよね~。
對呢~。因為她是個美少女,所以我不由自主地被她迷住了呢~。


「いきなり脱ぎだすからびっくりしたんだよ?」
「突然就脫掉了,嚇了一跳吧?」

「花音が下着見せてたからね~」
「花音秀過內衣了嘛~」

「もう……そういうことは忘れてください」
「請忘記這件事情吧。」

「はーい」
「好的」


 ちなみにあの時貸したパーカーも律儀に返してくれたんだよね。別に良かったんだけど。
順帶一提,那時借給他的外套他也很守信地還給我了。雖然沒關係啦。


「まだ3か月も経ってないんだね。葉月たちと会ってから」
「才過了三個月而已呢。自和葉月他們見面以來」

「そだね~」
「對呢~」


 確かにね~。色々あった気がするけど。
確實呢~。感覺發生了許多事情。

 そういえば最近、花音に生徒会のこととか聞いてなかったな~。
最近想起來,好像沒問過花音有關學生會的事情呢~。


「花音~?」

「ん?」
「嗯?」

「生徒会どう~? 楽しい?」
「學生會怎麼樣~?開心嗎?」

「うん、楽しいよ。東海林先輩や月見里(やまなし)先輩が、よく仕事の方も面倒見てくれてるし」
「嗯,很開心。東海林前輩和月見里前輩經常幫忙照顧工作上的事情。」

「会長は~?」
「會長是~?」

「会長? まぁ、前よりは普通に話してるかな」
「會長?嗯,比以前正常地交談了吧」

「好き~?」
「喜歡嗎~?」

「普通?」


 普通なんだ。会長、ちょっとイベント以外でも頑張ってよ。いっちゃんが見たいものが見れないじゃん。まあ、まだイベントは一杯あるらしいけどさ。
這很普通。會長,除了活動之外也要努力一下嘛。一番想看的東西都看不到呢。嘛,聽說還有很多活動呢。


「ああ、でも……」
「啊,但是……」


 クスっと花音がいきなり笑いだした。思い出し笑い?
花音突然輕笑起來。回想中的笑容?


「この前のはちょっと面白かったかな」
「這個前一次的有點有趣吧」

「なに~?」
「什麼~?」

「この前キャロットクッキー作っていったでしょ? 葉月も美味しいって言ってくれた」
「上次你做了胡蘿蔔餅乾對吧?葉月也說很好吃」

「あれ美味しかった。また作って?」
「那個很好吃。要再做一次嗎?」

「ふふ、いいよ。それで皆も美味しいって言ってくれたんだけど……会長、人参が嫌いなはずなのに美味しいって食べてて」
「呵呵,沒關係。大家都說很好吃……會長,明明討厭胡蘿蔔,卻說吃起來很美味」


 あの人、味覚音痴なんじゃない? 中等部の時も、雑草のお茶飲ませたら、知らないで美味しいって言ってたし。
那個人,難道不是味覺遲鈍嗎?就連在中學部的時候,給他喝野草茶,他也不知道,還說很好喝。


「後で知って顔真っ赤にしてたの。それがおかしくて」
「事後才知道,她臉紅得像紅通通的。這讓我覺得很有趣。」


 そう言って笑ってる花音を見てたら、なんかモヤっとした。あれ、何でだろ?
看著笑著說著這番話的花音,我感到有些困惑。為什麼呢?


「そっか」
"原來如此"


 ま、いっか。花音が笑ってるし。会長とも仲悪くなってないし。
算了吧。花音在笑呢。而且我和會長也沒有關係惡化。


 視線を雨に戻して、ボーッと見つめる。
將目光投向雨中,茫然凝視。


「花音~、生徒会入って良かったね~」
「花音~,加入學生會真是太好了呢~」

「そうだね……あの時、一花ちゃんや皆から背中押してもらって良かったかも」
「是啊……那時候,得到一花和大家的支持,或許是件好事」

「そっか」
"原來如此"


 なら良かった。これでつまらなかったらどうしようかと思った。
那就太好了。如果這樣還是無聊,我該怎麼辦呢。


 ザーっと降ってる雨を見る。
看著噼啪作響的雨滴。

 窓に当たってる雨粒を見る。
看著打在窗戶上的雨滴。


 ぼーっとしながら雨を見てると、視線を感じた。
一邊發呆看著雨,我感受到了一道視線。


「ん~?」
「嗯~?」


 花音が苦笑しながらこっちを見ていた。
花音苦笑著看著這裡。


「なーに?」
「什麼?」

「よっぽど好きなんだなって思って、雨」
「看來你真的很喜歡雨呢。」


 別にそういうんじゃないんだけどな。視線をまた雨に戻す。
並不是那樣的意思,只是把目光重新投向雨天。


 そういうんじゃないけど……ただ……。
不是這樣的……只是……。


「……思い出すだけ」
「……只是回憶起來」

「ん?」
「嗯?」

「……雨見てると……思い出すだけ……」
「……看著雨……就會想起來……」

「……何を?」
「……要做什麼?」

「……昔を」
「……昔日」


 幸せだったあの頃を……思い出すだけ。
那段幸福的時光……只要回憶起來。


 前世でも……今世でも……。
前世也好……今世也好……。


「……葉月」

「ん~?」
「嗯~?」

「……こっち来て?」
「……過來這邊?」

「ん?」
「嗯?」


 花音の方を見るとまた苦笑していた。こっち?
花音的眼神再次帶著苦笑。這邊嗎?


「今の葉月、妹たちと同じ顔してる」
「現在的葉月,和妹妹們長得一模一樣」

「?」

「泣きそうな顔してる」
「看起來快哭了」


 ……そんなことないと思うけど?
我不認為會有那種事情發生吧?


「いいからおいで?」
「來吧?」


 よく分からないけど、花音が手招きしていた。
我不太明白,但花音在招手。

 なんだか分からないまま、ノロノロと近づいてみる。
有點摸不著頭緒,慢慢地靠近試試看。


 近づくと、花音がそのまま腕を伸ばしてソッと抱きしめてきた。
當他走近時,花音伸出手臂,輕輕地擁抱了過來。


 え? え、あれ?
嗯?嗯,那是?


「妹たちにもよくこうしてあげてるの。嫌な時、泣いてる時、痛い時、悲しい時」
「我也常常這樣照顧我的妹妹們。不開心時、哭泣時、疼痛時、悲傷時」


 抱きしめられたまま、花音が背中を撫でてくる。
抱著的同時,花音輕輕撫摸著背部。


「よく抱きついてきてた。落ち着くんだって」
「經常會緊緊擁抱著我。說這樣感到安心」


 花音の香りが鼻をくすぐる。
花音的香氣輕輕撫過鼻尖。


「私は葉月のその昔を知らないけど」
「我不知道葉月的往事」


 花音の優しい声が、すぐ近くで響いてくる。
花音溫柔的聲音就在附近迴盪。


「だけど、こうして抱きしめてあげられるから」
「但是,因為可以這樣擁抱你」


 花音のあったかい温もりが伝わってくる。
花音的溫暖感傳達過來。


「だから葉月……そんな顔しないで?」
「所以,葉月……不要露出那種表情?」


 ……そんな顔っていわれてもな。
……就算被說成是這樣的臉也沒辦法。


 あったかい。
溫暖的。


 ……ちょっと自分でもわからない。
……有點連我自己也弄不清楚。


 いい香り。
好香。


 ……今どんな顔しているのか。
……現在的你是什麼表情呢。


 落ち着く。
安靜。


「花音……」

「ん?」
「嗯?」


 花音の背中に腕を回す。キュッと力を込めてみる。 


「……これ……落ち着く……」
「……這……讓人感到平靜……」

「そう……なら、良かった」
「這樣……就好了」


 花音が背中を撫でてくる。 

 スリッと花音の肩に顔を埋めた。 


「もう少し……こうしてて?」 

「…………いいよ」 


 あったかい……。 


 外の雨の音が耳に届く。 


 おかしいな。 

 いつもだったら、こんな事しないんだけど。 

 いつもだったら……ふざけられるんだけど。 


 雨のせいかな。 

 昔を思い出したからかな。 


 いいか……今日は。 


 あったかいから……いいか……。 



 その温もりに身を委ねて、瞼が自然と落ちていった。 



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